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  • 執筆者の写真tata online wellness

【管理栄養士監修】糖質制限はNG!?


 今流行している、「炭水化物抜きダイエット」や「糖質制限ダイエット」。主食の炭水化物をなくし、肉や魚などのおかずやプロテインシェイクを中心とした食事で,短期間に体重が減ったとの体験談により試す人が多いです。


 栄養学では、通常炭水化物は全体の摂取カロリー50~65%を目安にした食事が良いバランスと言われています。これは糖質に換算するとだいたい男性約330g、女性約250gを1日に摂取することになります。しかし、ストイックに糖質オフを行う人の糖質摂取量はなんと1日50g以下⁉ こんなにも少なくして体は大丈夫なのでしょうか。


〇糖質制限食のメカニズム

 糖質を制限し、その分脂質とタンパク質を多く摂取食事法。おかずをたくさん食べられる満足感と腹持ちの良さが魅力です。通常人間は糖質に含まれるブドウ糖を主なエネルギー源としていますが、糖質制限では脂質からできる脂肪酸とケトン体を主なエネルギーとして身体を動かしていきます。筋肉は脂肪酸を日頃から利用しています。その代表がジョギング、ウォーキング、水泳などの有酸素運動時です。しかし注意しなければいけないのは、脳や赤血球など身体の中にはブドウ糖が不可欠な組織があるということです。

 糖質制限ダイエットは早く痩せる効果が見られるので短期間なら問題ないかもしれません。しかしそれをずっと続けていくと、身体にどんな影響があるのでしょうか。


〇極端な糖質制限のデメリット


①イライラする、集中力が続かない

 脳のエネルギー源はブドウ糖です。しかし絶食が長期間続く場合はケトン体を利用し始めます。糖質制限食でお肉やお魚など満足感のある食事をしていますが、ブドウ糖が足りないため、脳は飢餓状態だと判断しケトン体を使用して脳を働かせています。これは個人差が大きく、うまくケトン体を利用できる人もいれば、体に合わずイライラしたり、ぼーっとして集中力が続かないという症状が出てくる人もいるのです。


②筋肉が落ちる

 食事で摂取する糖質を制限しブドウ糖が不足すると、身体は生命維持のため体内組織からブドウ糖を作り出そうとします。まず肝臓にあるグリコーゲンを分解してブドウ糖を作りエネルギーとして使います。それを使い果たすと、次は筋肉を分解してブドウ糖を作ります。つまりどんどん筋肉が減ってしまうのです。

 人間は加齢に伴い筋肉量が減少します。これを「サルコペニア」といいます。糖質制限を続けていると、その進行を早めることになります。


③動脈硬化のリスクが上がる

 炭水化物を抜くと必然的にたんぱく質と脂質に偏る食事生活になります。肉などの摂取量が増えると脂質の取りすぎにより血中の中性脂肪が増えます。すると血液がドロドロになり動脈硬化の原因となります。



〇1日の最低100gは糖質を取りましょう!

 厚生労働省が定める食事摂取基準には「炭水化物の最低必要量はおよそ 100 g/日と推定される」と表記があります。どれかの栄養素を取らないと、その他の栄養素に偏りが出ます。食事は炭水化物・タンパク質・脂質をバランス良く食べるのが一番です。

 下の食品の糖質量の図を参考にして朝昼夕のメニューを決めるのもおすすめです。

例えば

朝食に食パン1枚+昼食うどん1杯+夕飯にごはんお茶碗1杯=130.7g

主食だけの糖質量になりますが、1日約130gになります。以外に少ないですよね。三食しっかり食べても大丈夫なんです。



〇制限するなら主食よりもスイーツ

 むしろ気にしたいのは甘いものです。菓子パン、ケーキ、和菓子には糖質含有量も多いのに加え、砂糖が使われているので血糖値も急激に上昇してしまいます。

 糖質制限をするならまずは間食のお菓子やジュースなどを控えるのが得策です。


〇糖質代謝を促すビタミンB1

 糖質を摂取して体内でエネルギーに変えるのに必須な栄養素があります。それはビタミンB1!豚肉、レバー、大豆、玄米、そば、鮭などに多く含まれています。糖質代謝の他にも、疲労回復に働いたり、脳と神経の正常な働きをサポートしています。ぜひ意識して毎食に取り入れましょう!



-この記事を紹介してくれたのは 管理栄養士 - Mariさん-

幼少から料理やお菓子作りが好きで大学では家政学部で栄養学を専攻。大手企業で調理の現場の仕事に携わり結婚を機に退職。現在は子育てをしながら、自身の作る料理のテイクアウト販売から料理系Youtuberの企画や制作にも携わる。

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